51~60

60, み仏は スイカのタネに かくれゐる ゆゑにぷぷぷぷ 世に放たれよ

 

59, 天井に ゆらめく風の 声紋を みなもを仰ぐ 鯉のごと見る

 

58, 歯車に 潰れた指が 時を止め 黄昏のまま この世を鎖す

 

57, ドーナツの 孔もしっかり 食べおえて かぷかぷ朝に 飲むカプチーノ


56, 透明な 天使の如き 引率者 惨事の前に すっと立ち去る

 

55, いつかほど つきをみずただ こおろぎの うたをまくらに ひとひをおえ

 

54, 分針は 十秒ごとに 微動する ことを最期の 夜に認める

 

53, 新緑の あしたにひびく 烏らの 未知の言語も むねにしたしく

 

52, 饒舌な 独り語りの 言の葉を 鎮め焚火と せよ一行詩

 

51, 明日が来る ことさえ重く 掌に ミヤコタナゴの 虹を視ていた