ひとくち短歌絵

歌人・宮代やすしさんの短歌と私の絵との、共同作品シリーズです。2015年6月から始まり、2018年2月までの間でその都度更新。全78首。

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あなたがあなたであることを

 

わたしがわたしであることを

 

そして

 

よわさをつよさにかえることなく

 

よわさをかかえたまま

 

いっぽずつ

 

まよいながらあゆんでゆくことを

 

このばしょから

 

ねがっています

 

 

宮代やすし

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1966年、茅ヶ崎生まれ。筑波大学専門課程(環境生物学)中退。2004年、短歌に出会う。ネット上に作品を発表し、以後、新聞歌壇に計181首入選。口語短歌に文学と音楽の融合を模索する。万能川柳(毎日新聞上)招待席作家でもある。柳名は「うたたね」。こちらにも入選多数。

78, 無音なる 歌の音符を 追いながら 歩いてゆこう 春の野道を

77, たわむれに ルーペで鬱の 字を視れば 林のなかに 缶ひとつある

 

76, 五月雨を たたへし雲の おもおもと 青葉のかげを ふかめゆきつも

 

75, 開かざる ドアに畏怖して 立ち止まる お前の中を 流れゆく砂

 

74, 水槽に サワガニあまた ザワザワと 内乱は混迷を極める

 

73, 暴力を 生む精神の 暗雲を 裂く一行の 光を求む

 

72, 体内に ゆきをふらせる 錠剤に たよるねむりを 二十八年

 

71, シロナガス クジラの踊り食いなども  ひそかな神の 夜の愉しみ

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